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PHP研究所
¥ 882 (2009-02-14)
優れた古今東西の名著案内。著者の文学的感性とその形成史もわかる。
作家のまなざしで名作に出会い直す チョコレート工場の秘密 |
内容(「BOOK」データベースより)
すてきな読書案内でした。
自分の知的レベルをあげるために、とか効率重視の読書とは違って、小川さん自身が今までの読書経験の中で出会ってきた本たちを彼女自身の目線で読み解いていく、といった嗜好の読書案内です。
その、強制的なところがないのが逆に読書意欲を駆りたたせます。
しかも、小川さんの本に向かう真摯な姿勢がひしひしと伝わってきて、ますますその本の魅力が増して感じられるから不思議です。
ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』についての紹介の仕方はうなってしまいました。
結末を伏せつつもうまく作品の魅力を語るのって結構難しいのに・・・。
また、トーマス・カポーティの『あるクリスマス』においての紹介では不覚にも引用されている文章に思わず涙。
紹介文といっても、それは小川洋子さんの作品によせる思いの深さが詰められているので新書だからといって侮ってはいけません。
こんな小川さんのように本を語れるような本との付き合い方をしていきたいです。
ちなみに、全部で52冊中、私が読んだことがあったのは・・・
梶井基次郎 「檸檬」、黒柳徹子 「窓際のトットちゃん」、芥川龍之介 「羅生門」(授業で)、中島敦 「山月記」(授業で)、夏目漱石 「こころ」(授業で)、サガン 「悲しみよ こんにちは」、テグジュペリ 「星の王子様」、太宰治 「走れメロス」、樋口一葉 「たけくらべ」(授業で)、フィッツジェラルド 「グレート・ギャツビー」、O・ヘンリー 「賢者の贈り物」
計11冊ですね。
しかも、ほとんど授業で読んだもの!
授業は授業で自発的に読んだものじゃないので、いつか自分が欲するときにまた手に取る日がくるでしょう。
というわけで、ほとんどが未読本でありました。
どの本もいつか読んでみたいです。
今回この本は学校でかりたものなのですが、手元に一冊もっておきたい本です。
最近将来のことを考えると突き当たる壁があって・・・
それは自分が「女」であることなんです
今は女性でも色んな選択肢があって、でもそれが逆に悩ましくてですね
最近考えるようになったことなので、まだ自分でもよくわかんないのが正直なところで
本書では女性が無頼化する過程を社会の流れの中で読み解いていくんですが、世代間ギャップもあってか、少しすんなり理解できないところもままありました
でも、勉強になったことはたしか
今の日本では「普通にしていると子どもは生まれない」
という言葉がでてきた女性の結婚、出産に関する章はためになりました
作中で著者がよく現代の女性に関する本をとりあげていたので、その中の本も読みたいかも
水無田さんが、女性は社会と自身のおかれた立場を関連付けて考える回路に乏しい
とおっしゃっていたとおり、私もそういったことに関心を持つべきなんだろうなー・・・
あと、純粋に女性学って面白いかも!です。
おおまなかな目次 ↓
第一章 ニッポン女子のハッピーリスクと「第一次無頼化」の到来
第二章 社会のゆがみとニッポン女子の「第二次無頼化」
第三章 女のパロディとしての「第三次無頼化」
第四章 サバイバル・エリートと婚活現象
第五章 『おひとりさまの老後』革命
第六章 ニッポン女子無頼化現象が示す真実
今頃って感じですが、読みました。
文章はわかりやすくて、笑えて・・・とノリはエッセイと同じ感じでした。
いっきに読めます。
出版社/著者からの内容紹介
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。
おもしろかったです
日本や欧州、アメリカの精神文化についても大きく言及しているので、興味深かった。
読んだ父や叔父が言っていたのですが、死んだ親父がこれを読んだら泣いて喜ぶ ・・・ らしい。笑
私にとっての祖父にあたりますが、日本大好きでしたからね。
藤原さんの日本に対する思い入れは愛国心ではなく、「祖国愛」であると仰っていた、この「祖国愛」という言葉がとても印象的でした。
明治になって作られたのであろう愛国心という言葉には、初めから「ナショナリズム」(国益主義)と「パトリオティズム」(祖国愛)の両方が流れ込んでいました。明治以降、この二つのもの、美と醜をないまぜにした「愛国心」が、国を混乱に導いてしまったような気がします。言語=思考なのです。
この二つを峻別しなかったため、戦後はGHQの旗振りのもと、戦争の元凶としてもろとも捨てられてしまいました。わが国が現在、直面する多くは、祖国愛の欠如に起因すると言って過言ではありません。
戦後は祖国愛という言葉すらなかったようなものですから、そのような情緒が希薄になるのも当然です。言語=情緒でもあるのです。
私は祖国愛という言葉を使い、それを広めようと思っています。言葉なくして情緒はないのです。
(『国家の品格』p.114〜)
日本人は自国のことについて感心が薄い気がするんですよねー。
私も人のこと言えませんが・・・。
とにかく、外国語よりも読書を(特に名作とよばれるもの)!が今の自分にできることかな。
一読の価値ありです。
新たな日本を発見するかも?
≪目次≫
第1章 近代的合理精神の限界
第2章 「論理」だけでは世界が破綻する
第3章 自由、平等、民主主義を疑う
第4章 「情緒」と「形」の国、日本
第5章 「武士道精神」の復活を
第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第7章 国家の品格
情緒・・・といえば今日は電車内でのマナー違反が多かった・・・。
歌声まではっきりと聴こえるほどの音量で音楽を聴いている人、着メロは鳴らすし、通話も平気でする人、電車で立って弁当を食べる女子高生3人組・・・。
そして、それを黙って受け入れてる私含めその他大勢の乗客。
日本の先行きが不安であります
喋りはうまいのに信用できない人と、無口でも説得力にあふれた人の差はどこにあるのか。女性の嘘を見破りにくい理由とは何か。すべてを左右しているのは「見た目」だった!顔つき、仕草、目つき、匂い、色、温度、距離等々、私たちを取り巻く言葉以外の膨大な情報が持つ意味を考える。心理学、社会学からマンガ、演劇まであらゆるジャンルの知識を駆使した「日本人のための非言語コミュニケーション」入門。
正直題名が大袈裟すぎる。
人は外見よりも内面か、内面よりも外見かというのはよく聞く興味深いテーマです。
わたしもてっきりルックスなんたらという話かと思ってたのですが、そうでもなかったという。。。
題名のインパクトが大きい割りにはいざ読むとなると「アレ?」というかんじ。
著者が漫画家、劇作家であり演出家でもある方なので、そういう面で興味深い事項もありました。
そんな中で主だったテーマは「非言語コミュニケーション」。
つまりは言葉以外の動作や視覚、嗅覚などを利用した伝達方法について。
全体的に言うと、結構感覚で知ってた事が上手く言葉に換言されていたという印象です。
フェルメール全点踏破の旅
朽木 ゆり子
・内容(「BOOK」データベースより)・
日本でもゴッホと並ぶ人気を持つ十七世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメール。その作品は世界中でわずか三十数点である。その数の少なさ故に、欧米各都市の美術館に散在するフェルメール全作品を訪ねる至福の旅が成立する。しかもフェルメールは、年齢・性別を超えて広く受け入れられる魅力をたたえながら、一方で贋作騒動、盗難劇、ナチスの略奪の過去など、知的好奇心を強くそそる背景を持つ。『盗まれたフェルメール』の著者でニューヨーク在住のジャーナリストが、全点踏破の野望を抱いて旅に出る。
あぁ〜〜(嗚咽)
特定の画家の作品だけを求めて旅をするなんて夢のようですね。
しかもフェルメールなんてなんという贅沢!
私もいつかこういう旅をしてみたい・・・。
でも女一人で国外旅行って結構勇気要りそうですよね。
こういう時に、男の人が心底羨ましくなります。
予備校の英語の先生がすごい世界中を旅行してた経験を持っていて、とーっても羨ましく思ったのを憶えてます。
その先生は酒豪なので(笑)そういう意味でも現地の人とコミュニケーションとれますしね。
ところで、本の内容はというと。
まずはグラビアが最高によかった。
フェルメールの作品と認められているもの、意見が割れている物、三十数点全てが掲載されています。
これは買い!
そして重要な本文ですが、特に偏った偏見もなく著者のフェルメールと真摯になって向かい合おうという意思が伝わってきました。
それと同時に私もフェルメールと向かい合えた気がします。
あと、フェルメールの作品がどこに所蔵さえてるのか、その作品の経緯なども詳しく書かれていて内容盛りだくさんです。
この本をフェルメール入門書としてご家庭に一冊いかがでしょう?(笑)
早実vs.駒大苫小牧
中村 計,木村 修一
・出版社 / 著者からの内容紹介・
初優勝を狙った早実と、3連覇を目指した駒大苫小牧の世紀の2日間の死闘を、徹底的にドキュメントとして描く。さらには、早実の斉藤佑樹投手に徹底密着し、野球に対する考え方、そして将来の目標という核心にも探る。また、「どうして、駒大は強いの」「早実って、どうしていい選手が集まるの」という素朴な疑問にも回答。2006年夏のドラマの舞台裏に迫るだけでなく、現代高校野球の姿も浮き彫りにする。
読んでる間、あの夏が鮮明に甦ってきました。
延長に次ぐ決勝再試合を表舞台に限らず、いろんな視点から描き出しています。
選手、監督、スタッフ・・・様々な関係者の生の声がとても新鮮。
あの時は、こういうことを考えてたのか、と驚嘆させられることもしばしば。
あとは、優勝することの重み、重力は生半可なことではないのだと、思い知りました。
今年のあの夏の甲子園をしっかりと記憶に刻み付けるためにも読んでよかったです。
私はあまり野球について詳しくないんですが、意外とすんなり読めました。
ぜひ、興味のある人は読んでみてください。
追記:
今日で一旦冬季講習も終わって、今度は1月2日からです・・・。
というわけで、明日から高知の祖母の家に行ってきます!
今年中には帰ってくる予定ですが、しばらくの間は更新途絶えてると思います。
まぁ、そういうことで一応報告を。
宮崎アニメの暗号
青井 汎
・出版社/著者からの内容紹介・
●『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』…… 物語に秘められた、宮崎駿の本当の世界観とは? ●『ミツバチのささやき』、ケルト、五行思想、インド神話、宮沢賢治、堀田善衞、花輪和一…… 最強のエンターテインメントには、意外な「隠し絵」が埋め込まれていた。
むむぅ。
評価が難しい。
興味深い内容ではあったんです。
ナウシカには、西洋の魔女とジャンヌダルクが二重写しになっている。とか。
あと、初めて知ったことといえば宮崎さんはディズニーが嫌いって事。(笑)
でも、「もののけ姫」に関しては、すっごい掘り下げすぎててどこまで納得して良いものか・・・。
まぁ、でもこういうのって人それぞれ。
って言っちゃうとそこまでなんだよなぁ。。。
ガウディの伝言
外尾 悦郎
・内容・
ガウディは本当に人間を幸せにするものをつくろうとしていたと思います。そしてまた、人間がつくり得る最高のものを神に捧げようとしていました。建築や彫刻などの造形だけでなく、光や音も組み合わせた総合芸術。それがガウディの構想していたサグラダ・ファミリアです。……また、ガウディの作品は、人類が向かうべき方向性についても、多くの示唆を与えてくれているように思えます。私はサグラダ・ファミリアでガウディの考えた彫刻をつくりながら、そのことをずっと感じ続けてきました。(本文より)
一二〇年以上も建設が続けられている大聖堂で、彫刻家として活躍する著者が、隠されたメッセージを読み解いていく。
この夏、スペインに行く前の予備知識ということでこの本を読んでみました。
この本の著者である外尾さんは、今現在もガウディが建設を進めていた教会「サグラダ・ファミリア」の現場で仕事をしているそうです。
という事で、建設現場からならではの目線(職人の目線)で物事が書かれていて面白かったです。
内容も噛み砕かれてあって読みやすかったですし。
ガウディ入門としても良いかも。
本当は「スペイン旅行記」なんてブログを作ってからまとめて載せようと思ってたのですが、この一枚は載せちゃいます。
↓グエル公園から見えたサグラダ・ファミリア。
「宮崎アニメ」秘められたメッセージ―『風の谷のナウシカ』から『ハウルの動く城』まで
佐々木 隆
・内容・
最新作『ハウルの動く城』が上映され、ますます世界で絶賛される宮崎駿ワールド。本書は、『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』、そして、最新作『ハウルの動く城』の5作品を中心に、「宮崎アニメ」に秘められたメッセージを、作品に散りばめられた謎の発見を通して解明していきます。そうです。謎は「発見」されるものなのです。はじめから「これが謎です」と書かれている謎はひとつとしてありません。今まで、何気なく見過ごしていた作品の細部と全体の意図が、本書によって鮮やかに解き明かされます。(作者の紹介文)
この本は、今夏の読書感想文の本として読みました。
私の学校は感想文二冊分が宿題として出されます。
もう一冊はハリポタにしました。
少し脱線しましたが、まぁまぁ面白かったです。
正直、ジブリアニメを事細かに解明することによって本当の意味を汲み取れるというカンジを受けるのですが、決してそうではないと思います。
まぁ、最終的には個人の解釈ですよね。
でも、ジブリアニメをもう一度全部観たくなって、実際に少しだけですけどビデオを観直しました。
観るたびに新しい変化が生まれるのがジブリの面白いところですよねぇ〜。
この本に触れたことによって、ジブリを再認識しよう、という意識が芽生えたのでいい出会いだったと思います。