友達が東野圭吾大好きで、「白夜行」に関してはDVDBOXも買ってしまったというハマリ具合。
そんな友達がよく薦めてくれてたのに、私はイマイチ乗り気ではなく、「んー」って感じでスルーしていました。(ゴメン・・・)
で、年の変わり目ぐらいの時に読んだ「流星の絆」のamazonカスタマーレビューを読んでみると、「
百夜行」には及ばない・・・という声がちらほら。
「ほう、
百夜行かぁ・・・」と興味をそそられ、友達に改めてこの本を借りることにしたのでした。
(
後日:間違えました。「白夜行」です。すみません。以下繰り返し間違えてます。全然気づかなかった。赤っ恥だー
)
メタローグ
前作「秘密」で、温かくて切ない物語を紡いだ東野圭吾が、今回は読む者の心を冷え冷えと切なくさせる。
1973年に起こった質屋殺しがプロローグ。最後に被害者と会った女がガス中毒死して、事件は迷宮入りする。物語の主人公は、質屋の息子・桐原亮司と女の娘・唐沢雪穂だ。当時小学生だった二人が成長し、社会で“活躍”するようになるまでを、世相とともに描ききる。2人の人生は順風満帆ではなく、次々忌まわしい事件が降りかかる……。当然ミステリーだから謎が隠されているわけだが、真相は途中で暗示されてしまう。しかし謎の存在などどうでもよくなるほどのスケールの大きさが読後に残る。(石飛徳樹)
--このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。 出版社/著者からの内容紹介
19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。絶望の白い光の中、魂の荒野を行く男と女を、叙事詩的スケールで描く傑作ミステリー長篇。 (解説・馳 星周)
おっもろー!
これはすごいです。
1973年から事件経過の19年間を重厚に描き出しています。
重い雰囲気やあまりのダークさに、夜、家族が寝静まった家の中を
百夜行(正:白夜行)を読んだ後ひとりで移動するのが怖くなるくらいでした。笑
背後や、暗闇に人気を感じてしまうような・・・。
なんともいえない、もやもやとした恐怖が終始作品に充満してるんです。
唐沢雪穂と桐原亮司の周囲の人間の目を通してストーリーは語られ、主人公2人の心情は一切明らかにされず物語は終わりを迎える。
別々の道を選んだはずの2人。
しかし、2人の生きてきた道に散在する犯罪のかげ。
― 唐沢雪穂と関った者はみな不幸になる ―
その接点を暴こうと質屋殺しの事件から19年、捜査を続けている老刑事・笹垣。
様々な人間ドラマが折り重なり、真実はやはり19年前へとさかのぼる。
笹垣いわく―
「(唐沢雪穂は)
ただの女狐やないで」―(だっけ?関西弁あやふや〜)
って言葉どおり、雪穂は天性の
悪女って感じです。
まぁ、そうなってしまうような境遇でもあったといえるかもしれませんが、やることひとつひとつえげつない。
桐原もずーっとお天道様から隠れた世界に身を沈め、悪に手を染める・・・。
2人で同じ道を歩むという選択肢は無かったのでしょうか?
そうなったら話しになんないけどさぁ・・・
↓ネタバレ
― 「俺の人生は、白夜の中をあるいてるようなものやからな」 ―
― 「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。あたしはその光によって、夜を昼と思って生きていくことができたの。・・・略」―
タイトルに含まれている意味がまたせつないー
かわいそうになってきます。2人が。
亮司と雪穂の絆だけが2人の孤独を癒す唯一の心のよりどころだったのかな。
他の人とは全くといっていいほど本心を出さずに、上辺だけでの付き合いだったような。
ちょっと心を開いてるのかなって思ったら、それにはやっぱり下心からでたものがあって・・・。
篠塚一成は雪穂が惚れる(惚れてたのかはよくわからないけど・・・彼だけ彼女の色香に惑わされなかったから、逆に手ごまにしてやりたかったのかもしれません。)だけあって、読者の私としても惹かれたキャラクターだったので、雪穂の魔の手に掛からずほっとしました。笑
んーとにかく2人の心情が全く無いので、想像の範囲でしか語れませんが、私的にとってはある意味で良い、心に残るお話でした。
続編?の「幻夜」もたぶん友達が持ってるので、今度借りようと思いまーす。ついでに「
百夜行」(正:「白夜行」)のDVDも
たしかに今まで読んだ東野圭吾本では「
百夜行」(正:「白夜行」)は秀逸です