を観に行ってきました。
昨日行った原美術館で個展を開催中の杉本博司さんのドキュメンタリー映画です。彼の写真1枚につけられる値段は最高だと億超えするくらいだそうですよ。ぇ
でも、思い切って今日観に行ってよかった。あんなにいいとは思わなんだ。エンディングは思わず涙ぐんでしまったほど・・・。一本のドキュメンタリーを通してあんなに深遠なテーマにまで達するとは思いもよらなかったので。
明日は大学で大事な発表があるのに、未だに心、ここにあらず、です!どーん
この映画を観るまでは、正直彼の作品のよさがわかりませんでしたが(今も懐疑的)、彼の写真はただの写真じゃないということがこのドキュメンタリーを通してよくわかりました。
彼の作品はいわゆる一瞬を切り取ったような写真ではなくて、「時間」や「永遠」という時を写真という一瞬に閉じ込めているところ(と思わせるところ)が、凄い、のですね。
あとは、「見えないものを可視化」するところとか。(ex.電流、原始の世界…)
人類が共通して持っている神秘的な抽象概念なんかを、「カタチ」にしてしまう・・・凄い、と思うと同時に怖い、とも思ってしまいました・・・。
なんだか杉本さんは踏み込んではいけない領域スレスレにいるような気がしたから。
例えば、神社の再建を頼まれた時にも20tもある石をわざわざ運んで石室(古墳)を地下に作っちゃったり。太古の歴史と現代を繋ぐ、という点で意味はあるかもしれないけれど、なんていうんだろ、その豊かすぎる想像力が歴史を作り変えてしまっている、あるいは歪めてしまっている可能性もあるのではないか?と。
個人で妄想しているぶんには良いんだけど、それを杉本さんは作品というカタチで表現してしまう力を持っていることにちょっと怖さも感じられるわけです。
んーー何が言いたいかよくまとまらなのですが、とにかく色んなことを考えさせられたドキュメンタリーでした。
忘れたくない箴言がいたるところに散りばめられていて、これはDVDを買うべきかもしれない・・・笑
彼の作品の良さについてはまだまだ疑問が残りますが、思想に関してはとても共感する部分があったし、彼の作品に対するコンセプトがとてもわかりやすく伝わってくる内容になっていたので、すっかり杉本さんのファンになってしまいそうです。(単純)
興味がある方はぜひぜひ。
同時に素晴らしかったのが、映画のBGM!渋谷慶一郎さんという方のなんですが、ドラマ『SPEC』なんかも担当されているそうな。
ミュージアムショップでもずっと映画のサントラが流れていて、「うわ〜このピアノ曲、なに??めっちゃええわぁ〜」と思っていたのですが、映画でもその美しい旋律が杉本作品はじめ、彼の精神世界ともどこかうまく重なり合ってしまっていて、観る者の感情にさらに訴えかけてくるようになっていました。
ちなみに今、映画でエンディングに流れていた「limitless」という曲をリピートで聴いています♪
しばらくこの余韻は続きそうです。(明日発表なのに!泣)
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Keiichiro Shibuya
(2012-04-25)
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