・出版社/著者からの内容紹介・
奇想天外! 「鼻男」の一代記
十八世紀のフランス。あらゆる人を陶然とさせる香水を創り出す匂いの魔術師が、馥郁たる芳香を放つ少女を求めて次々に殺人を犯す
今年映画化ということで初めてこの作品を知ったのですが、究極の香水を生み出すために次々と殺人を繰り返す・・・というなんとも面白そうな内容!
あと、映画のタイトルの「パヒューム」という響きがステキだったっていうのもありますね。
ということで、本書を手に取ってみました。
物語の主人公ジャン=バティスト・グルヌイユについて本文から抜粋すると
『この孤独なダニにして、稀代の人でなし、およそ誰にも愛を感じたことがなく、愛を感じさせたこともない男・・・』
とひどい言われようをされてる人物。
本人も自覚の上ですが・・・。
上の抜粋文からも察するとおり、なんともえげつない表現が物語全体を彩ってます。
それがこの作品を引き立てていて、それでこそ、この物語を通して様々な匂いが匂い立つのを嗅覚で感じてしまうような、そんな奇妙な感覚に囚われるのかもしれません。
そしてこの作品の時代背景とのマッチがまたステキ(?)でした。
昔の香水作りとか、どこまで正しいのかは分からないのですが興味深かったです。
文章でも十分面白かったのですが、確かに映像化となると更に構成によってはもっと面白くなるかも。
ちなみに予想だにしない衝撃的なラストだったのですが、映画だとどうなるんだろう・・・?
観たいけど、観たくないような・・・そんな奇妙奇天烈なお話でした。